低速質量選別イオンビーム照射システム/ OMS-1940
用途
・表面科学
・核融合炉壁材料開発
・燃料電池開発
・触媒開発
概要
前モデルから80%に上る部品を新設計とした本システムは、新開発のセラミック放電管、2段収束レンズを採用した低速高輝度RFイオン銃、マグネットセパレーター、ビーム輸送系、高効率減速レンズシステムを備え、特に数eV〜100eVという超低速において、比較的大電流の各種イオンを照射可能なシステムです。
イオン源部は組立式のセラミック放電管の為、優れたメンテナンス性、耐腐食性、安定性を獲得しており、長時間に亘る実験に有効です。
Ar、酸素、窒素、水素、Heはもちろん、BCL3ガスをも安定的に放電することが可能になっており、イオン源部品とガス導入系の交換によりさまざまなイオンを発生することが可能です。
マグネットセパレーターのオリフィスを交換することで、分解能1amuの質量分離が可能です。また、ニュートラルや電子の低減に効果的な設計を施しています。
多段に配置された減速レンズ(マルチポテンシャルレンズ)により、超低速域においてもビームの収束性が良く、高効率を可能とし、表面科学や核融合炉壁材料開発、燃料電池開発、触媒開発など、多種多様な実験に最適です。
仕様
・出力イオン種 : H+, H2+, He+ O2+ ,O+ ,N2+ ,N+ ,Ar+ ,B+ ,C+ 等
(質量 m/z=1~40まで)
・出力ビームエネルギー :1eV~2000eV
・各種イオン出力 :以下新型最大出力設定時 (*オリフィス径により分解能と出力値が変わります)
:H+ /1.3μA
:H2+ /0.6μA
:HD+ /0.8μA
:Ar+ /4.7μA
以下旧型参考データ
:O+ /0.5μA
:O2+ /1.8μA
:B+ /0.20μA
:N+ /0.30μA
:N2+ /0.90μA
・質量選別機構 :セクターマグネットセパレーター
・アライメント機構 :メカニカル式
・ビーム補正機構 :マルチポール電場型
・イオン計測機構 :ファラデーカップ(ビームon/off機能付き)
・ニュートラル除去機構 :マグネットセパレータ部で除去
・減速レンズ(最終段) :マルチポテンシャルレンズ
・使用WD :5mm~50mm
(フランジ端面よりターゲットの距離)
・取付フランジ :ICF114
・到達圧力 :5.0x10-6Pa以下
・ベーク温度 :180℃(Oリング、マグネット部は除く)